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1.日本の十大発明家
1985年特許庁は日本の十大発明家を選定しましたが、当然のことながらうま味を発見した池田菊苗も選定されています(図1)。図に示すように、十大発明家には明治時代の研...
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2.池田菊苗
池田菊苗は、1864年(明治元年の4年前)に京都で生まれました(表1)。以前からコンブは北前船で北海道から本州各地に運ばれていましたが、とりわけ京都には沢山のコンブ...
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3.昆布のうま味成分の発見
池田は乾燥したコンブを出発材料としました(図2)。昆布には多量のタンパク質が含まれていますが、乾燥コンブ中ではタンパク質は変性しており水に溶け出しません。した...
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4.核酸系うま味物質と相乗作用の発見
池田はカツオブシのうま味成分にも興味を持っていました。当時池田研究室の研究生であった小玉新太郎に、カツオブシのうま味成分の解明というテーマを与えました。1913...
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5.食材中のうま味物質含量
グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などのうま味物質が発見されて以来、各種の食材中のうま味物質含量が調べられてきました(図6)。グルタミン酸は、植物性食材と動...
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6.食物とうま味物質
コンブは“だし”をとるのに、もっともよく使われます。京都の老舗の料亭では、コンブを60℃のお湯に1時間浸して“だし”をとります。図7の左側の図は、こうして作った“だし”の...
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7.うま味研究会の発足
うま味物質はいずれも日本人が発見したこともあり、欧米では長い間うま味の存在を認めませんでした。1970年代までは、うま味あるいはグルタミン酸の味という題で論文を投...
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8.基本味としてのうま味
ハワイで最初のうま味国際シンポジウムを開いた頃は、うま味の存在に否定的な研究者が多くいました。グルタミン酸ナトリウム(MSG)を食物に添加するとおいしさが増す...
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9.うま味受容体
うま味が基本味であるとすると、当然うま味物質を特異的に感知する受容体が存在する筈です。L.Buckらは、1999年に嗅覚受容体がGTP結合タンパク質共役型受容体であるこ...
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10.世界に広がるうま味
2008年は、池田菊苗がうま味を発見してから、100周年に当たる年でした。それまで、うま味の研究に成果を挙げてきた諸外国の研究者を東京に招き、記念シンポジウムを開催...
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11.MSGの安全性について
2008年3月5日のニューヨークタイムス紙には、「Yes、MSG, the Secret Behind the Savor」と題する記事が掲載されました(図26)。何故、Yes, MSGなのか、かなり詳し...
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12.世界に広がる日本食ブーム
日本食は世界各国で空前のブームです。ニューヨーク、ロスアンゼルス、パリ、北京などでは、“すし”だけではなく多くの日本食が大人気です。日本食ブームが世界的に広...