甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ基本味の一つであるうま味。
そのうま味が1908年日本の科学者池田菊苗博士によって発見されてから100年が経ちました。
うま味インフォメーションセンター(略称:UIC)はうま味についての情報をグローバルに発信するため、
1982年、日本うま味調味料協会の支援で設立されました。
その後、中立的な立場を堅持し、公明性・公開性を確保するため、2007年4月、所轄庁である東京都知事より、
特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を得ました。
今後も、日本および世界へのうま味の普及を目指し、うま味に関する正確で有益な情報をお届けしていきます。
うま味(UMAMI)は、うま味物質であるグルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムが味蕾を刺激することにより感じられる基本味です。これらのうま味物質はいずれも日本人により発見されました。グルタミン酸ナトリウムは、1908年に池田菊苗博士が昆布から発見しました。1913年には、小玉新太郎氏が鰹節からイノシン酸ナトリウムを、1957年には国中明博士が干しシイタケからグアニル酸ナトリウムを発見しました。また、日本人は昔からこれらの食材を活用することで食べ物をおいしく調理してきました。
グルタミン酸は、トマトをはじめとする野菜類や、チーズ、味噌、醤油、魚醤などの発酵食品、イノシン酸は肉や魚類、グアニル酸は干したキノコ類や野菜など、世界中のさまざまな食品に含まれていますが、欧米では、長い間うま味物質によるうま味という味の存在に気づきませんでした。1980年代に入り、世界の生理学研究者が、うま味物質に関する生理学的作用の研究を始めることで、世界中でうま味物質に対する関心が高まり、さらには2002年にヒトの舌からうま味物質の受容体の存在が発見されたことで、うま味が第5の基本味であることがようやく世界中に認知されました。
また、2013年12月には、「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録され、その特長のひとつに、うま味物質を含む食材を上手に使うことによって、動物性油脂の少ない食生活が実現するとあります。健康志向の高まりとともにいまや和食は世界各国から注目され、うま味は国際用語UMAMIとして、味覚の研究者、栄養士、フードジャーナリスト、そして世界中のシェフなど、食に関わるさまざまな分野の方々から大きな関心が寄せられ、欧米のメディアやインターネットでもUMAMIが多く取り上げられています。
しかし、うま味物質やこれにより感じる「うま味」には、未だに、十分に理解されていないことや新たな有益情報があります。例えば、日本では「うまみ」の表記が2種類(「うま味」と「旨み(旨味)」)ありますが、これらは意味の異なる同音異義語(homonym)です。また、うま味物質は、おいしさを構成する客観的感覚のひとつ「コク」の増強物質として作用することが分かってきました。食品中には、さまざまな味が混在していること、またうま味物質そのものの味は淡く微妙な味のため、私たちはこの中から「うま味」として感じることは非常に難しいですが、そのことが食べ物のおいしさを引き出す大きな役割を果たしていることが分かってきたのです。
うま味インフォメーションセンターでは、国内外でのうま味レクチャーやシンポジウム等のイベント活動、ウェブサイトや書籍・冊子の刊行等による情報発信を通して、うま味に関する理解を深めていただくための普及・啓発活動を行っております。今後は、これまでのうま味物質の重要な働きに加えて、新たな働きを分かりやすく発信し、うま味の正しい知識を広めてゆきたいと考えています。
名称 | 特定非営利活動法人(NPO法人) うま味インフォメーションセンター | ||||||||||
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役員構成 2024年6月現在 |
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