食材別うま味情報 チーズ

うま味の強いチーズの代表格にイタリアの北部で作られるパルミジャーノ レッジャーノ(ハードタイプ)があります。上質の生乳がチーズになるまでには1年以上の熟成期間が必要で通常2年、最高級品では4年もの間、熟成させます。この熟成期間中にタンパク質がアミノ酸に分解されていき、できあがったチーズ100gには1.2~1.6gほどのグルタミン酸が含まれています。これは、日本人がだしの素材に使っている昆布に含まれるグルタミン酸の量に匹敵します。

うま味がたっぷり含まれているチーズはパルミジャーノ レッジャーノだけではありません。スイスのエメンタール(セミハードタイプ)、イギリスのチェダーチーズ(セミハードタイプ)、フランスのカマンベール(白カビタイプ)、デンマークのマリボー、サムソー(セミハードタイプ)などの各種のチーズで最も多く含まれているアミノ酸の一つにグルタミン酸があげられます。 熟成6~10日後と8ヶ月後を比べるとサムソーでは20倍、マリボーで25倍、カマンベール(デンマーク産)で12倍、ハバルティ(デンマーク産・半硬質タイプ)では43倍、ブルーチーズ(デンマーク産)は31倍もグルタミン酸が増えていました。

以下のグラフは、うま味を含む代表的な3種類のチーズに含まれる遊離アミノ酸量を示したものです。グルタミン酸が非常に多く含まれていることが分かります。

パルミジャーノ レッジャーノ
(イタリア、ハードタイプ)

パルミジャーノ・レッジャーノ中の遊離アミノ酸量

エメンタール(スイス、セミハードタイプ)

エメンタール中の遊離アミノ酸量

カブラレス(スペイン、青かびタイプ)

ブルーチーズ中の遊離アミノ酸量

引用:Ninomiya, K. Natural occurrence. Food Reviews International, 1998, 14, 177-212 (1998)