今月のUmamiMama Says… 2024年12月
2024.12.17
世界中の一流シェフから「UmamiMama“うま味ママ”」の愛称で親しまれている うま味研究者の二宮くみ子博士が語る“ちょっとためになる”うま味のお話「UmamiMama Says…」。UICロンドン発の人気インスタグラム記事です。
12月はうま味ママが登壇した調理科学の国際学会のレポート(前編)です。
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「11月にスペインのバルセロナ大学で、調理科学の国際学会Science and Cooking World Congress (SCWC) 2024が開催されました。私は京都の老舗料亭の料理人3名とともに現地入りしました。いずれも日本料理アカデミーの会員であり、博士号を取得したサイエンチストでもある方々で、今回は登壇者としての参加です。和食の料理人がこの学会で発表するのは初めてのことです。
学会にはヨーロッパ、南米を中心に約150名の研究者、シェフ、ジャーナリスト等が参加、科学に基づく様々なテーマの発表が行われました。
今年で5回目を迎えた学会のテーマは「テクスチャー」。
私たちチームは、このテーマに触れる前に、日本料理に欠かせない出汁について説明しました。昆布と鰹節の出汁の特徴や調理方法を紹介し、参加者に試飲してもらいました。出汁で野菜のテクスチャーと風味を一層引き立てているのが、日本料理です。
90分間の私達の日本料理のセッションの初めに、スペイン料理界の巨匠フェラン・アドリアさんがスピーチをしてくれたことは大変光栄なことでした。そしてセッションの座長は、学会の名誉会長であり著書「マギー・キッチンサイエンス」で有名なフードジャーナリストのハロルド・マギーさん。とても贅沢なセッションを開催することができました。
次回はこのセッションのための試食準備の様子などご紹介します。」