うま味インフォメーションセンター

活動報告

大妻女子大の学生がうま味講義のため来所しました

2025.01.24

「うま味には適量があるんですね。入れ過ぎたら、スープ全体がポテトスナックの味になっちゃいました!」野菜ブイヨンに自分が思う“適量”のうま味調味料を入れた大学生の素直な感想です。

2025年1月24日、うま味インフォメーションセンター(UIC)にて、大妻女子大学家政学部3年生の正規の講義「食物学演習」が行われました。講師をUIC木戸妥恵理事が務め、同大学家政学部の大田原美保教授のゼミ生10人が来所して受講しました。

UIC木戸妥恵理事が講師を務めました

将来は食物学の専門知識を活かして活躍する皆さんであることを念頭に、木戸理事は当センターウェブサイトの「うま味を多く含む食品」「うま味データベース」など今後役立てて頂きたいコンテンツを紹介しました。
また、うま味の基礎知識や健康への効果などサイエンス面での知識をお伝えするとともに、味覚としてうま味を実感できるようテイスティングや簡単な実習を盛り込んで、うま味について学んでいただきました。

テイスティングでは、ドライトマトやチーズなどうま味を多く含む食品でうま味の3つの特徴「舌全体に広がる」、「持続性がある」、「唾液の分泌を促す」を確かめたほか、アミノ酸系のうま味を持つ昆布出汁、核酸系のうま味を持つかつお出汁を味わって相乗効果を確かめました。
続いて薄味の野菜ブイヨンとこれにUICでうま味を添加した野菜ブイヨンを比較して、うま味物質の添加効果を確かめました。「うま味を加えると、味が濃くなったように感じる」「甘くなったように感じる」と、学生の皆さんはその効果を感じ取ったようです。

手軽にうま味を足すことができるうま味調味料は、上手く使えばとても便利なものですが、塩や砂糖などの調味料と同様に使用には適量があります。一般に、砂糖や塩に比べて少量で効果を得られます。
最後にこれを学生の皆さんに実践していただきました。先ほどの薄味の野菜ブイヨンにそれぞれが思う“適量”のうま味調味料を加えて味わっていただきました。冒頭の学生の感想はこの時のものです。
うま味調味料を数振り入れた人、ほんの少し加えた人と様々でしたが、それぞれがその効果に驚き、適量について考えた様子です。

講義の感想は、他にも次のような声がありました。うま味について、実感を持って学んでいただけたことと思います。  
・うま味の効果がよくわかったが、(最後の実験で)野菜ブイヨンにうま味調味料を入れ過ぎて
    しまった。後味に違和感が残った。
・出汁はかつおの味が決め手だと思っていたが、かつお出汁を単体で飲んだら想像とちがっていた。
    昆布出汁と合わせてこそのおいしさなのだと思った。
・グルタミン酸が母乳にも含まれているとは知らなかった。
 ・今日知ったことを他の人にも伝えたい。

学生の皆さんの進路希望は食品会社,老人保健施設,病院,給食委託会社など様々だそうです。それぞれの道で、うま味の知識を役立てていただければと思います。

UICウェブサイト うま味を多く含む食品: https://www.umamiinfo.jp/richfood/
同 うま味データベース: https://www.umamiinfo.jp/umamidb/