うま味インフォメーションセンター

活動報告

吉祥寺で消費生活講座「うま味の魅力~和食を見直そう」

2024.09.12

気候や世情の変化にともない、私たちの食生活を取り巻く環境は日々変わり続けています。そんな中、生活者が自分と家族の健康のためにできることは何でしょうか。市民の皆さんに、うま味を軸にしたヒントをお伝えする講座が開催されました。

うま味インフォメーションセンター(UIC)は2024年9月12日、武蔵野市吉祥寺にて、市民向けのうま味講義「うま味の魅力~和食を見直そう」を実施しました。参加者は武蔵野市にお住いの市民の皆さん約60人です。
この講義は、武蔵野市民のための連続講座「むさしの消費者スクール: “食”から考える私たちのみらい」の一環として行われました。発酵食品メーカーや消費生活コンサルタントの講話、地域の農家訪問などからなる全9回の講座です。うま味インフォメーションセンターも1講座を担当しました。
武蔵野市消費生活センター主催。食料・エネルギー価格の上昇、異常気象、食生活の変化など、私たちの生活を取り巻く環境が厳しさを増す中、消費者として食卓からできることについて、市民の皆さんが1年を通して学び考える講座です。

講師を勤めたのはUICの木戸妥恵理事です。今回は市民の皆さんに向けた講義ということで、消費者の目線に立った構成になりました。うま味の基礎知識のほか、ドライトマトや昆布だし、かつおだし、みそ汁など馴染みのある食材の試食を通してうま味を実感していただき、その特徴を活かして実生活に活かすヒントをご紹介しました。

うま味は甘味や塩味など他の基本味に比べて淡い味を持ちますが、認識できるようになれば、何か食べた時に「今日はうま味があるな」「ちょっとうま味が少ないかな」といったことが分かるようになります。
この講義では、昆布だしとかつおだしを用い、アミノ酸系と核酸系の2種類のだしを合わせることでうま味が7-8倍以上になる「うま味の相乗効果」の体験をしていただいた他、うま味の健康効果の例として、だしを入れない味噌湯と一番だしを合わせた味噌汁を飲み比べていただき、塩分濃度が低い味噌汁でも、うま味(だし)がしっかり利いていれば「おいしさを損なわず減塩」できることを実感していただきました。さらに昆布水をもちいて、うま味が唾液の分泌を促す性質を利用した「ドライマウス治療のリハビリテーション」も体験していただきました。

講義は前の席から埋まっていくほど熱心な皆さんが多く、笑顔でうなずきながらメモを取る人が多くみられました。
3大うま味成分であるグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸についての説明に興味を示される方が目立ち、「エイジングビーフには、うま味成分グルタミン酸は多いが、イノシン酸はほぼ無い」、「干し椎茸そのものにはグアニル酸はなく、水で戻して適切な温度で加熱することでグアニル酸ができる」、「グルタミン酸は母乳にも含まれている」という説明に聞き入っていました。相乗効果の体験ではうま味が大幅に増えたことを実感して「あっ」と声を上げる方があちこちにいらっしゃいました。

「昆布水を使ったドライマウスのリハビリ」について説明する木戸妥恵理事

講義後のフィードバックには詳細なご感想が様々に寄せられ、皆さんが真剣に聞いてくださったことが伺われました。その一部をご紹介します。

・うま味について良くわかりました。うま味調味料の安全性もあわせて知る事ができました。ありがとうございました。
・料理は科学だ!という感じがしました。合わせることで相乗効果、出てくるんですね。とても楽しかったです。
・減塩は年齢的にこれから取り組まなければならないテーマなので、とても参考になりました。
・試飲させて頂いたので、座学だけではないおもしろさがありました。

皆様には是非、うま味を上手に活かしておいしくて健康的な食生活を楽しんで頂きたいと思います。