うま味インフォメーションセンター

活動報告

今月のUmamiMama Says… 2023年9月

2023.09.22

うま味インフォメーションセンター(UIC)のコンサルタントである二宮くみ子博士は、世界中の一流シェフから「UmamiMama“うま味ママ”」という愛称で親しまれている、うま味研究の第一人者です。UICがロンドンから発信する英語版インスタグラムでは、“うま味ママ”がうま味について語るちょっとした豆知識やこれにまつわるエピソードが2年前から毎月連載され、人気を呼んでいます。
連載タイトルは 「UmamiMama Says…」。
エピソードは毎回、「”うま味ママ“が言ってたんだけどね・・・」で始まります。

9月の話題は「西洋料理のスープストックと日本料理のだし」について。日本料理と各国料理の出汁の違いを抽出プロセスの点で解説しています。

「西洋料理、中国料理やその他各国のスープストックは、生の肉や魚、野菜、ハーブなどを長時間じっくり煮込んで加熱・濃縮し、その国独自のスープストックができあがります。素材からじっくり抽出された各種アミノ酸、核酸、ペプチド、甘味や酸味物質、など多くの物質によって、とても複雑で深みのある味。」

「日本のスープストックである出汁は長時間の加熱・濃縮をしない独特方法で作られます。その理由は、出汁の素材である昆布や鰹節、干し椎茸など、すでにうま味成分が濃縮された乾物からうま味物質を短時間で抽出するからです。」

「初めて出汁を味わった外国人は、味がしない、水っぽいなどと感じるようですが、この出汁に醤油や味噌などの発酵調味料が加わることで、深みのある味に変化していくのです。西洋料理のスープストックは、素材から多くの物質を長時間かけて抽出してから濃縮するのに対し、日本料理の出汁は既にうま味成分が凝縮された乾物から短時間でうま味成分を抽出し、そこに発酵調味料を加えて味に広がりや深みを出していきます。日本料理の出汁の調理方法は他国には見られない独特な方法なのです。」

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