うま味インフォメーションセンター

活動報告

女子栄養大学でうま味講義を実施

2022.06.14

人々の健康な食生活をサポートするために、管理栄養士や栄養教諭、食品技術者を目指す皆さんは日々、高い知識や実践力を身につけるべく努力をされています。うま味についての正確な情報もその一つです。

うま味インフォメーションセンター(UIC)は6月14日、女子栄養大学で講義「うま味を知る、うま味を感じる~健康な食生活に向けて~」を、管理栄養士を目指す実践栄養学科の3年生(120名)を対象に実施しました。本講義は、女子栄養大学の授業「食品開発・品質管理論」(全14回)の内の1回です。一般企業やNPO法人など学外から講師を招いた講義が全体で8回含まれており、食品開発や製造方法、品質管理などがテーマとして取り上げられました。

うま味インフォメーションセンター コンサルタントの二宮くみ子博士は、第9回目の特別講師を担当。「うま味」を軸にした講義を行いました。
1時間40分の講義は鼻先香と口中香の関係や味を感じるメカニズムの確認から始まり、うま味物質とその科学的な性質、うま味をベースとした和食のだしの特徴と料理への活用、さらには減塩効果や唾液分泌の促進といった健康問題の解決に関わる研究結果など、うま味を軸としたさまざまな話題が幅広く解説されました。

上白糖と黒糖を比較して、精製度の高い純粋な物質は白い結晶で香りがないことを確認しました。

MSG(グルタミン酸ナトリウム)は純度が高いうま味物質の結晶ですが、白い結晶は化学合成品と誤解されていることがあります。授業では、純度が高い上白糖と純度が低い黒糖の香りを比較することで、精製度の高い純粋な物質は白い結晶で香りがないことを体験してもらいました。精製度の高い白い結晶であるMSGは、香りがないので、どんな料理にも使えます。

さらに、ドライトマトや昆布、みそ湯、チーズを順に試食しながら、注意深くうま味の特徴を自分の言葉で説明できるように捉える事を試みました。学生の皆さんからは「講義はたいへん分かりやすかった」「1,2年生のときの授業でうま味について勉強したが、どんな味なのかがわからなかったけれど、体験することで味質が良くわかった」という感想を多くいただきました。

また、学生の皆さんがうま味について更に詳しく調べたい時の参考に、当センターのウェブサイトや資料も紹介しました。学生の皆さんには今後の研究に、さらには仕事に就かれた後も、ぜひ、UICの情報を活用していただければと思います。