うま味インフォメーションセンター

活動報告

第11回世界生ハム学会レポート

2022.06.09

6月8日から3日間にわたり、スペインで第11回世界生ハム学会が開催されました。これは2年に一度開かれてきた国際的な学会で、新型コロナウィルス予防の観点から3年ぶりの開催となりました。

同学会からの登壇依頼を受けて、うま味インフォメーションセンターのコンサルタントである二宮くみ子博士が、開会2日目の6月9日に “Science of umami taste and koku attribute: adaptation to gastronomic culture(うま味とコクの科学:美食文化への応用)” と題し、生ハムのうま味やコクについて講演しました。以下、二宮博士からのレポートです。

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6月8~10日にスペイン中央部の歴史的都市セゴビアで第11回世界生ハム学会が開催され、スペインの研究者、養豚、生ハム製造業者、PR関係者等約450名が参加。スペインの生ハム業界ではumamiやkokuという言葉を知っている人は多いのですが、正しく理解されていないのが現状とのことで学会からの依頼を受けて生ハムのうま味やコクに関する講演をしました。
講演前日のセッション終了時に、タピアドール会長から「明日はうま味とコクの講演があるので聞き逃さないように」とアナウンスがあり、9日午前中のセッションは、ほぼ満席になりました。

生ハムの科学を語る登壇者の皆さん(左端が二宮博士)

生ハムのうま味物質であるグルタミン酸は熟成1年後には仕込み時の約40倍になること、コクに関与するペプチド、メイラード反応による化合物や遊離アミノ酸とうま味物質が共存することで、コクが増強されて、深みや広がりのある味わいが感じられること等を紹介しました。
講演終了後に研究者や製造業者の方々から声をかけられ、関心の高さが伺われました。学会会場では各種生ハムが試食用に提供され、白豚から作られるハモンセラーノや黒豚のイベリコハム等、熟成期間が異なるものを比較するなど貴重な体験もできました。
EFE通信社が学会開催についてWebで報道し、コクについても簡単に解説をしてくれました。

<EFE通信社の記事>
http://www.noticias24horas.com/gastronomia-el-jamon-se-abona-a-las-tecnologias-y-a-la-inteligencia-artificial/