韓国ウソン情報大学でうま味講義を実施
2022.04.22
うま味インフォメーションセンター(UIC)は4月22日、韓国ウソン情報大学の学生に向けて「和食文化とうま味―だし・うま味再発見」と題したオンライン講義*を行いました。講義に参加したのは、日本外食調理学の学生1・2年生40人です。
*主催:韓国味の素㈱、ウソン情報大学 共催:うま味インフォメーションセンター。
多くの食材が持つうま味は、世界中の人が日頃から味わっている味です。しかし繊細な味であるため意識されないことが多く、味わっている味覚がうま味であると気づいていない人が多いのです。今回の講義は、日本料理のシェフを目指す韓国の大学生の皆さんが、うま味の特徴を意識し自分の口の中で感じ取れるよう試飲・試食や素材の観察を中心に構成しました。
講義は韓国のウソン情報大学と東京をオンラインで中継して行われました。講師はUICコンサルタントの二宮くみ子博士です。学生の皆さんはうま味発見の歴史や特徴を聞いた上で、日本料理を調理する上で欠かせないうま味を体感しました。
まず、おしゃぶり昆布を注意深く噛みながら、うま味の特徴を確認しました。続いて、かつおだし、昆布だしを使ってうま味の相乗効果を確認。イノシン酸、グルタミン酸の2つのうま味物質を合わせると、うま味が7-8倍に強く感じられることを体感しました。
さらに、日本の代表的な5種の昆布の実物を観察。昆布は種類によって味、香りが違います。学生の皆さんは水出しにした利尻、真昆布、羅臼昆布のだしを飲み比べて、その特徴を確認しました。この3種類はだし素材として料亭や家庭でよく使われるものです。また、日本のだしの特徴と、韓国・中国・西洋料理のだしとの比較、日本と韓国で使用されている醤油や味噌、納豆は、同じものではなくそれぞれの国によって特徴があること等を学びました。
最後に減塩効果や満足感、肥満指数との関係といった健康な生活に寄与するうま味の活用方法について解説を受けました。
参加した学生の皆さんからは、「うま味を体験できてよかったです。」、「試食をし、昆布の形を直接見る事ができたので言葉のみの説明よりも特徴の違いを知る事ができました。」「昆布の種類によって、味や香りがかなり変わるというのが印象的でした」といった感想の他、「わかめと昆布の違いはなんですか?」*1、「MSGを料理に使うのはよいことですか?」*2などの質問も寄せられました。
料理を学ぶ皆さんが、調理技術に加えてうま味についての正確な知識を身につけ、より一層成長されますよう期待しています。
*1: わかめにはあまりグルタミン酸は含まれていません。わかめは、だしを取るというよりも、お味噌汁や酢の物で食べることが多いです。
*2: 昆布に含まれるグルタミン酸とMSGに含まれているグルタミン酸は全く同じものです。しかし、昆布には香りの成分が含まれていますので、試飲の印象は香りの影響を受けます。純粋にうま味だけを加えたいときにMSGを使うのは良いと思います。MSGには香りがありませんから、世界のどこの料理にも使えます。