うま味インフォメーションセンター

活動報告

九州女子大学で特別講義「うま味を知る、うま味を感じる~健康な食生活の実現に向けて」を実施

2022.01.17

だしのうま味は調理には欠かせないものですが、うま味という味についてじっくり考える機会はなかなか無いかもしれません。しかし、うま味がどのような味かを認識し、自分の舌でしっかりと感じ取れるようになると、日々の調理をする際にも役立ちます。

1月17日、うま味インフォメーションセンター(UIC)は、九州女子大学でうま味の特別講義を実施しました。将来、管理栄養士や家庭科教諭になることを目指す3年生を対象としたもので、約100名が参加しました。
UICコンサルタントの二宮くみ子博士による約3時間の講義は、前半ではうま味という味について座学で学習、後半では実際にだし素材を用いて観察・試飲・実験を実施。これらを通じて、今後「うま味」について他の方々に紹介する際に、自分だったらどのように説明するかを考えました。
だし素材は昆布(日高・真・羅臼・利尻)と共に、九州ではみそ汁のだしなどに良く使わる煮干しを用い、見た目や水出しで取っただしの味の差を観察しました。種類の異なる昆布を比較することは初めてだった学生さんも多くいらしたようです。

さらに、通常のご家庭の味噌汁よりも薄めに味噌を溶いた汁に一番だしを加えて味の変化を確認する体験では、うま味の添加効果と共に、だしのうま味によって塩分が少ない汁ものでも満足感が高い味となることを体感。また今回は新たに、だしに含まれるグルタミン酸を酵素によって可視化するキットを使用し、グルタミン酸が多く含まれるサンプルでは青い色が濃く出ることを目で確認するなど、多くの体験を行いました。

酵素を使用して、だしに含まれるグルタミン酸を可視化する実験。グルタミン酸の含有量を青色の濃淡で確認しました。

講義後の質疑応答では「うま味調味料の使い方や適量を教えてください。*1」、「グルタミン酸を過剰に摂取することで健康に害はありますか?*2」、などの質問が寄せられ、うま味について考える良い機会となった様子が伺われました。
参加した学生の皆さんが今回の講義で学習した内容を、今後の活動に活かしていかれることを期待いたします。

*1: 使い方としては、塩を使う量を控えめにして、うま味調味料を適量加えるという方法が良いと思います。うま味調味料を使いすぎると後味に影響が出ます。塩や砂糖を使いすぎると味が強くて食べられなくなるように、どんな調味料も使い過ぎると美味しさが損なわれます。

*2: グルタミン酸は、私たちの体の中でも作られているアミノ酸です。これを食事から多く摂ったとしても、健康に影響することはありません。ただし、後味に影響する可能性はあります。