うま味インフォメーションセンター

活動報告

ペルー食の祭典"MISTURA"でのうま味レクチャー

2016.09.30

  • 日 時:2016年9月8日
  • 場 所:ペルー リマ (MISTURA)
  • 登壇者:生江史伸氏(東京麻布 レフェルベソンス オーナーシェフ)
  • テーマ:“Miracles of Nature, Chemistry in Your Mouth”
  • 報告者:NPO法人うま味インフォメーションセンター事務局 栗脇美緒

2016年9月2日から11日まで、ペルーの首都リマにて、ペルー 食の祭典と呼ばれる"MISTURA(ミスツーラ)"が開催されました。MISTURAは混合を意味し、ペルーの特徴の一つである多人種文化の奥深さを表すネーミングです。世界の料理人が注目するペルー料理界のトップシェフたちにより発足し今年で9回目を数えるこのイベントは、ペルーの豊かな食材・料理を紹介するに留まらず、世界の各国から集った料理人がその心と技を披露し、交流、融合する場ともなり、世界中の食関係者の関心を集めています。

うま味はペルーでも関心が高まっており、うま味をテーマにしたプレゼンテーション企画の依頼を受けた弊センターは、生江史伸氏(東京 麻布 レフェルヴェソンス オーナーシェフ)に登壇いただきました。

英仏の一流フランス料理店で修業後、東京の自店で日本国内から選び抜いた食材を活かした独自のフレンチを展開する生江氏は、"Miracles of Nature, Chemistry in Your Mouth"と題したプレゼンテーションを、日本の誇るうま味素材「昆布」と「鰹節」の産地・生産に携わる方々の映像の紹介から始め、昆布のグルタミン酸と鰹節のイノシン酸による相乗効果の説明に続けて独自のレシピによる茶碗蒸しの調理デモを披露しました。ペルー在住のシェフ、Hajime Kasuga氏とDiego Gutierrez氏の多大な協力をいただいて実現したこのプレゼンテーションは、日本と同じく海と山の食の幸に恵まれた食文化を有するペルーの方々に大変共感をもって受け入れられました。生江シェフはその講演の中で、初めて訪れたペルーで出会った地場のうま味食材も紹介し、食文化と科学の双方からうま味を学んだ400人近くの聴講者から大きな拍手が送られました。

生江シェフより以下のメッセージもいただきましたので、ご紹介いたします。
日本と同様にペルーは南北に長い国土と海と山に挟まれた湿度のある気候、「海、山、雨、太陽、多様性」を共通テーマに、共感を持っていただけるように心がけました。自然と科学、北の昆布と南の鰹節の出会いによって生まれた日本のだし文化がペルーのこれからの料理文化形成のヒントになればという思いでお話しをさせていただきました。

世界の食関係者から注目を集めるペルー、そして国内外の様々な場所で、うま味インフォメーションセンターはうま味の情報を発信してまいります。

プレゼンテーション会場
プレゼンテーション会場
うま味について話す生江氏
うま味について話す生江氏