うま味インフォメーションセンター

活動報告

The Culinary Institute of America でのうま味レクチャー

2013.03.13

日  時 2013年2月4日(月)12:30~15:00
場 所 The Culinary Institute of America, Hyde Park校Danny kaye Theatre(米国 ニューヨーク州)
参加者 160名
共 催 うま味インフォメーションセンター、The Culinary Institute of America 協力:NPO法人日本料理アカデミー 講演者:京料理なかむら主人 中村 元計氏 / 平等院表参道竹林主人 下口 英樹氏 / Nobu at the Atlantis in Dubai総料理長 Herve Courtot氏 / うま味インフォメーションセンター理事 二宮 くみ子 報告者:うま味インフォメーションセンター 吉田 真太郎

日本で発見された「うま味」は、「甘味」、「酸味」、「塩味」、「苦味」に並ぶ基本味の一つとして、今やUMAMIとして世界中で注目され、欧米のシェフや料理人たちも大きな関心を寄せています。このような機会を捉え、うま味インフォメーションセンターは、世界最高レベルのプロフェッショナルな料理教養と技術教育を誇る米国The Culinary Institute of Americaでうま味レクチャーを実施いたしました。当校は60年以上の歴史を持つレストラン専門学校で、今回はニューヨーク州にあるハイドパーク校の学生および教員合わせて160名に対し、うま味についての正しい知識、うま味の豊富な食材やうま味を活かした料理などについて、NPO法人日本料理アカデミーのご協力をいただき講義を実施いたしました。

最初に、当センター二宮くみ子理事から、うま味発見の歴史、うま味物質、うま味の豊富な食材、うま味の持つ機能などに関して、科学的な知見と当センターのホームページの「うま味を体験する」でもご紹介しているトマトや野菜スープを使った試飲試食を織り交ぜ、うま味の基本的な知識について講義しました。

続いて、中村元計氏、下口秀樹氏による「日本料理のだしとうま味」と題した講義を行いました。講義に先立ち、「昆布」「かつお節」の製法と特長を説明した映像を上映し、日本のだしにとって重要な食材である昆布、かつお節について理解していただきました。 調理デモンストレーションでは、はじめに昆布とかつお節を使った一番だしの取り方について説明と実演を行いました。また、全員に昆布だし、かつおだし、一番だしをそれぞれ試飲していただき、だしのうま味と昆布だし・かつおだしによるうま味の相乗効果を体験していただきました。
次に、茶わん蒸しとおひたしのだしを使って料理したものと使わないで料理したものを全員で試食、さらにヒラメの刺身と昆布締めを試食し、それぞれ二つの料理の味を対比して、料理におけるうま味の重要性とうま味の機能を体験しました。 調理デモンストレーションでは、「蟹の茶わん蒸し」、「アワビとロブスターのお造り」を披露し、日本料理の特長について説明しましたが、料理の美しさに称賛の声が上がりました。

最後の講義では、Herve Courtot氏がうま味食材を活かした調理デモンストレーションを行いました。はじめに、昆布チップとドライ味噌を使ってテンダーロイン・ビーフのカルパッチョを披露し、ご自身の体験を交えて、料理におけるうま味の重要性とうま味の富んだ日本の食材は欧米料理にも応用できることをお話されました。次に、トマト、シリアルとロックフォールチーズを添えたランゴスチン(ヨーロッパアカザエビ)のローストを披露し、欧米料理でもうま味食材は使ってきているが、これまではうま味に気づかず無意識の中に料理に利用していたと説明し、受講者の方々は、うま味は世界共通であることを再認識されました。

講義終了後の質疑応答では、受講者からたくさんの質問が寄せられ、うま味に対する関心の高さを感じる事が出来ました。本講義まで、うま味は日本料理固有の味覚と考えていた受講生も多くいらっしゃいましたが、うま味は世界共通であること、うま味の豊富な食材やうま味の持つ機能を知ることで食材の魅力を活かすことができるということを学んでいただきました。

うま味インフォメーションセンターでは、国内、海外の調理師学校で料理を学ぶ方々に、うま味について正しく理解していただくよう、このようなうま味レクチャーの活動を続けてまいります。ご支援よろしくお願い申し上げます。

キャンパス風景
キャンパス風景
二宮理事プレゼンテーション
二宮理事プレゼンテーション
中村元計氏、下口英樹氏デモンストレーション
中村元計氏、下口英樹氏デモンストレーション
Herve Courtot氏デモンストレーション
Herve Courtot氏デモンストレーション
講義風景
講義風景
講義風景2
講義風景2