「TERRA」「AME」ヒロ・ソネ氏の生姜風味の茹でエビとスイカのサラダ 魚醤入りレモングラス風味のドレッシング和え
- プロのうま味レシピ
2020年08月
彩り豊かなこのサラダは5つの基本的な味が集合し、複雑で活力みなぎる味を作り出します。うま味が豊富なトマト、干しエビとピーナツが甘いスイカと塩辛い魚醤、さっぱりとした酸味のライム、きゅうりの皮でほんのりとした苦味と合わさります。トマトと魚醤の高尚な組み合わせは、この料理にこの上ない豊かな風味を加えます。
うま味は私が新しい料理を考えるとき、まさにキーポイントとなる重要な要素です。料理の複雑な味を出すときのベースになってくるのがうま味。日本人として、うま味と一緒に育ったので、いつでも料理の中にうま味があるのが自然でした。特に東南アジアなどで頻繁に使われる魚醤(フィッシュソース)は、うま味をたっぷり含む伝統的な調味料の一つですが、なんとイタリアでは古代ローマ時代から魚醤が使われてきました。私の店でも現在、このイタリア産の魚醤をベトナムおよびタイ産のものとともに料理に取り入れています。今後、もっともっとたくさんの方がうま味について、そしてうま味が料理の中で演じる役割について理解してくれることを望んでいます。
▪︎材料(4人分)
<生姜風味の茹でエビ>
- 水...2ℓ
- 小たまねぎ(薄切り)...約150g
- 生姜(薄切り)...1/3カップ(約37g)
- にんにく(つぶしたもの)...1片
- 米酢...大さじ3
- コーシャーソルト...大さじ5(又は食卓塩 大さじ3)
- 殻つきエビ...12尾(各約25g、筋は取り除いておく)
<ドレッシング>
- ライムの絞り汁...大さじ4(約ライム2個分)
- レモングラス(すりおろしたもの)...小さじ1
- 干しエビ(細かく砕き、切り刻んだもの)...小さじ1
- 魚醤...小さじ2
- 生姜(刻んだもの)...小さじ1/2
- タイ産チリ(刻んだもの)...少々
- 砂糖...小さじ1/2
▪︎作り方
- 1. 「生姜風味の茹でエビ」の材料をエビ以外すべてステンレス鍋に入れ、10分ほど煮立てる。
- 2. エビを加え再び高温で沸騰させ、10秒ほど煮立て、汁を捨てる。エビを天板に移し、冷ましておく。
- 3. エビが完全に冷めたところで、丁寧に殻をむく。使うまでエビにラップをかけておく。
- 4. 小ぶりのボウルにドレッシングの材料をすべて合わせて混ぜる。そのほかのサラダの材料すべてと生姜エビを混ぜ合わせる。ドレッシングをゆっくりとかけ、サラダに和える。
Copyright ©Hiro Sone 2008
※このレシピは2008年7月にサンフランシスコで開催されたうま味シンポジウム、New Frontiers of Taste(味の開拓者たち)にて、シェフのヒロ・ソネ氏によって紹介されたものです。
< プロフィール >
ヒロ・ソネ
日本の農家に生まれ、大阪で料理を学び、東京でキャリアを積んだのち渡米。ハリウッド修業中に出会った、ペストリーシェフのLissaさんと公私共のパートナ-となる。数年後カリフォルニア、ナパに「テラ」を開き、大成功を収めたのち、サンフランシスコに「アメ」を開き、二店ともミシュラン一ツ星を獲得。日本人の繊細な感覚と、フレンチとイタリアンのエッセンスが生かされた料理を提供。2003年には「カリフォルニア最優秀シェフ」部門にてジェームズ・ビアード財団賞を受賞。2008年5月にはヒロ・ソネ監修のカリフォルニアレストランを東京・銀座にオープン。