「湯島山緑泉寺」の青江覚峰住職 VOL.2
- 湯島山緑泉寺住職 青江覚峰
2023年02月
VOL.1では『料理僧』として活躍される住職、青江さんの話と、精進料理のだしを紹介しました。今回は「もどき料理」についてお話しします。肉や魚などの動物性の食材を使わない精進料理のひとつ「もどき料理」は、それに似た外観や味を再現した料理と言われますが「味を想起しやすいから“もどき”と名をつけていますが、代替とは考えていません」と青江さん。
「私は良く、カニカマ戦術と和菓子戦術と言っています。見た目も食感もカニに近づけるのがカニカマ戦術。一方、和菓子はその季節ならではのものをあんで表現します。今の時期だったら例えばスイカの和菓子がありますが、スイカの味はしません。近づけるための努力をするのもひとつ、自由な発想で、新しい料理として価値をつくるのもひとつ。私はプラントベースフードは、もっと自由でいいと思っています」。
そんな「もどき料理」、今回は青江さんのレシピを2品教えていただきました(「西洋お寺ごはん」 /ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
■里いものクリームシチューもどき
<材料 2人分>
里いも 2個(200g)、にんじん 中1/2本、ブロッコリー 1/4個、厚揚げ 1/2枚、マッシュルーム 5~6個、豆乳 2カップ、白みそ 大さじ1、塩 小さじ1、こしょう 少々(お好みで)
<作り方>
① 里いもの皮をむき、薄切りにする。にんじんは食べやすい大きさの乱切りにする。ブロッコリーは食べやすい大きさに切る。
② 蒸し器に里いもとにんじんを入れ、にんじんに串がすっと通るまで蒸す。
③ ブロッコリー、マッシュルーム、厚揚げを蒸し器に入れ3分蒸し、取り出す。
④ 鍋に里いもを入れ、木べらやマッシャーでよくつぶす。
⑤ ④に豆乳、みそ、塩、こしょうを加え、つぶした里いもとよく混ぜる。
⑥ にんじんと③を加えて中火にかけ、温まったら、塩で味を調整して盛りつける。
■ケーキ寿司
<材料>
酢飯:ごはん 2合、寿司酢 大さじ6、いりごま 小さじ2、昆布 3cm角
卵もどき:絹ごし豆腐 2/3丁、くちなし 2個、砂糖 大さじ1、塩 ひとつまみ、菜種油 小さじ1
A{にんじん 3cm、まいたけ 1/2パック、油揚げ 1/4枚}
B{醤油 大さじ1/2、砂糖 大さじ1/2、酒 大さじ2、昆布だし 大さじ3}
<作り方>
*酢飯をつくる
① 3cm角の昆布と一緒にかために炊いた炊きたてのごはんを寿司桶に入れ、寿司酢(米酢180ml、砂糖100g、塩40gを混ぜる)を回しかける。うちわで勢いよく扇ぎながらしゃもじできるように酢飯を混ぜる。
② 酢飯が冷めたら、いりごまを混ぜる。
*卵もどきをつくる
① 絹ごし豆腐を手で細かくつぶしてフライパンに敷き、砂糖、塩をまんべんなくかけて10分おく。
② 豆腐から水気が出てきたらくちなしを半量割り入れて、さらに10分おく。
③ 豆腐から出た汁気が黄色く色づいてきたらフライパンを弱火にかけ、水気がなくなるまで木べらで混ぜながら炒める。
④ 水気がなくなったらくちなしを取り出し、菜種油を入れ、よく混ぜたらバットにとり、冷やしておく。
*ケーキ寿司をつくる
① Aの材料をみじん切りにし、鍋に入れ、Bを加えて弱火にかける。水気が完全になくなるまで煮詰め、火を止める。
② ケーキ型(直径15cm程度)にラップを敷き、底面にきっちりと丁寧に卵もどきを敷き詰める。
③ ②に酢飯1合分を入れ、上からよく押す。その後、①をまんべんなく敷き詰め、残った酢飯を同じように入れ、押す。
④ ③にかぶせるようにお皿をおき、逆さまにするとケーキ寿司の土台が完成。好みの野菜を飾る。