PLANT BASED ✕ UMAMI

「神楽坂天孝」の新井 均シェフ VOL.3

  • 神楽坂天孝 新井均

VOL.1では天ぷら料理はプラントベースになりやすいこと、VOL.2では天つゆの話をしましたが、今回は新井シェフの究極のエコ天ぷらをご紹介します。

これは車海老の「ひげ」です。車海老はうま味食材なので捨てるところはなく、頭は出汁に、足は天ぷらに、ひげも集めてまとめて天ぷらにするとのこと。「天孝」さんで最初に揚げていただく食材は、才巻(サイマキ)という車海老の中で20g以下の小さいもので、まさにうま味が凝縮したもの。車海老が届くたびにひげを集め、食材として活用しているのだそうです。
(これは特別にお出しいただきました)
塩をつけずに食べてみると、ほんのり甘く、車海老の香りもします。うま味食材を使い切る、究極の天ぷらですね。

都内きってのお座敷天ぷらですから、海外のお客様も多く、様々な食のリクエストもあるそうです。
例えばグルテンフリーの方には米粉での対応をされるそうです。小麦粉と卵のふんわり感を出すために油や温度、揚げる食材など、細部にわたった研究を今後もされるとのこと。

「東京の観光資源のひとつが食であり、とても重要な要素です。日本に来たら寿司、天ぷらと言われます。ですから、ビーガンやベジタリアン、グルテンフリーなど、どなたにも対応できるようにすることはこれからの必須だと考えています。若い料理人の方々は、できるだけ早く海外の調理現場を体験して欲しいです。日本は食材をはじめ、あらゆる面でなんでも揃います。海外が日本と同じではないこと、多種多様のお客様がいらっしゃること、そういうことを早くに知れば、今後は、海外から来られるお客様のことを学んでいくきっかけも生まれると思います。もちろん、うま味のことも!」

「神楽坂天孝」の新井 均シェフ VOL.1はこちら

「神楽坂天孝」の新井 均シェフ VOL.2はこちら