PLANT BASED ✕ UMAMI

「神楽坂天孝」の新井 均シェフ VOL.1

  • 神楽坂天孝 新井均

植物由来の材料でつくられた料理や食品のことをプラントベースフードと言いますが、これを一層おいしく食べるための、ひとつのポイントが「うま味」です。うま味を上手に活用することで植物由来の材料がとびきりおいしい料理になります。

今回はお座敷で江戸前の天ぷらを提供される、「神楽坂天孝」の新井 均(ひとし)シェフにお話をうかがいました。

新井シェフは昭和52年創業の「天孝」二代目で、初代の新井孝一さんから受け継ぎ伝統の味を守られています。 「天孝」は芸者さんの元・自宅を改装して作られたお店で、テーブル席もありますが個室のお座敷スタイルが人気です。目の前でごま油の香ばしい香り、シャーという揚げている音を聞き、揚げたてが目の前に置かれます。おいしさはもとより、このエンターテインメント性もご馳走のひとつです。

通常、「天孝」では天つゆ(大根おろし付き)と塩とレモン汁が出され、好みのものをつけて天ぷらを食べます。プラントベースの場合はどのようになるのでしょうか。

新井シェフは「簡単です。天つゆを変え、衣素材を変え、四季の野菜を揚げることで対応ができます。魚がないと難しいであろう寿司よりもすぐに対応できます」とのこと。つまり動物性のものを使わないで天つゆを作り、衣素材に卵を使わないで四季の野菜をおいしい天ぷらにするということです。春は山菜やたけのこ、夏はアスパラガスやナス、秋はきのこや根菜、冬はごぼうやれんこんなど、四季それぞれの野菜の天ぷらを楽しむことができます。

そこで、次回はプラントベースの時の天つゆについてのお話をしましょう。

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