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「shojin 宗胡」の野村大輔シェフ VOL.2

  • shojin 宗胡 野村大輔

VOL.1では野村シェフの精進料理についてうかがいました。今回は下支えしてくれるお出汁の話です。うま味の重要なポイントです。

和食のお出汁は昆布とかつおが基本ですが、精進料理にかつおは使いません。料理をするときに残った野菜の皮や茎の部分は良いお出汁が出るのです(だから野村シェフは野菜クズとは言われません)。精進料理の出汁の基本は昆布とかんぴょう、大豆、干し椎茸を使います。

野村シェフに出汁のとりかたを聞きました。野菜の出汁をとるにはいくつかの方法があります。
①生の野菜をそのまま茹でて煮出す方法②野菜を乾燥させて煮出す方法③野菜をオーブンでロースト(焼く)してから煮出す方法です。

乾燥は3日間ぐらい天日で干します。ローストはオーブン180度で12分。そして、すべて50分間、鍋でぐつぐつしない程度で煮出します。生、乾燥、ローストの三種類は、同じ野菜を使っていても、それぞれ味わいが違います。手間は掛かりますが、ローストして煮出したお出汁は香ばしい香りがします。

野村シェフは、この野菜出汁に昆布出汁をブレンドして使います。季節によって野菜が違いますから出汁の味も変わってきます。使わない野菜もあります。ごぼうやセロリなど香りの強いもの、ナスの皮やビーツなど色の出やすいもの、精進料理に使用しないネギや玉ねぎ、ニラやにんにくなどです。

それぞれ香りも味も色も違いますから、つくる料理にあわせて使い分けるそうです。そして大事なことは 、野菜出汁の優しいうま味を活かすために塩は少なめでもおいしい料理になること。野村シェフの野菜出汁はかつおと昆布でとる強いうま味ではないことも、素材の味を活かしきることにつながり、塩分を減らすことにつながります。

さて、最終回は野村シェフにレシピをいただきましたのでご紹介します!

「shojin 宗胡」の野村大輔シェフ VOL.3はこちら

「shojin 宗胡」の野村大輔シェフ VOL.1はこちら