日本の 郷土料理と うま味
鹿児島県 の郷土料理

さつますもじ

さつますもじ

鹿児島県では「ちらしずし」のことを、かつての宮中の女房言葉から「すもじ」といいます。 鹿児島県のすしには「酒ずし」と「さつますもじ」がありますが、「酒ずし」が海や山の幸をふんだんに使った豪華な料理として主に殿様や上流武士が食べていたのに対し、「さつますもじ」は高級な材料は使わず、身近な季節の食材を使った庶民のすしとして親しまれてきました。祝いの席で食べる料理のため、10種類前後の食材を使って色あざやかに仕上げ、地酒を使うのが特徴です。 地酒は、清酒をつくる過程のもろみに灰汁を加えて絞ってつくられ、みりんの代用や、おとそとしても飲まれています。鹿児島県は温暖な気候のため、昔は一般的な清酒づくりは適さず、この地酒の製造が盛んになりました。一度も火いれをせずにつくるため、アミノ酸や有機酸、ミネラルが壊れることなく豊富に含まれ、料理のうま味を引き出すといわれています。「酒ずし」はこの地酒をつかって発酵させてつくりますが、「さつますもじ」は手を地酒にひたし、その手で具材と米を豪快にかき混ぜてつくられます。古くから春の行事の際に食べられ、現在も雛祭りや卒業式、入学式など、春先の祝いの席に欠かせない料理です。

出典:農林水産省Webサイト『うちの郷土料理』をもとに作成
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/satsumasumoji_kagoshima.html

材料

(4人分)
A{米 280g 水 380ml}
a{穀物酢 45ml 砂糖 大さじ2 塩 少々}
B{干ししいたけ 8g 干しきくらげ 2g}
b{うす口しょうゆ大さじ1 砂糖小さじ1 本みりん大さじ1/2}
C{ごぼう(ささがき)50g にんじん(1cm角切り)100g 切干しだいこん(1cm)40g たけのこ水煮(1cm角切り)50g だし汁 適量}
c{うす口しょうゆ大さじ1 砂糖大さじ1}
D{さつま揚げ(1cm角切り)30g 蒸しかまぼこ(1cm角切り)50g 地酒 少々}
E{卵2個 塩 少々 砂糖 少々}
F{地酒 60ml}
G{さやえんどう 16g 紅しょうが 適量木の芽 適量}

つくり方

① 干ししいたけと干しきくらげは水で戻し、切干しだいこんはぬるま湯で戻す。米は洗って水を切っておく。さやえんどうは茹でて千切りにする。

② Aの米を炊き、aをふりかけ、切るように混ぜて冷ます。

③ Bは、ひたひたの戻し汁で煮る。bを加えて煮詰め、千切りにする。

④ Cのごぼうとにんじんをひたひたのだし汁で煮て、切干しだいこんとたけのこ水煮を加えてcで調味する。

⑤ Dはさっと火を通す。

⑥ Eを混ぜて薄く焼き、4cm長さの錦糸卵にする。

⑦ ②にFと③④⑤を混ぜ、器に盛る。

 ⑥とGを彩りよく飾る。

POINT

  • 地酒は、灰持酒(あくもちざけ)とも呼ばれる甘みのある鹿児島の伝統酒です。手に入らない場合は、みりんと日本酒を半量つづ混ぜたもので代用してください。
  • ②の米はかために炊きあげます。米の状態によって水の量を加減してください。
  • Cのだし汁は、昆布とかつお節でとる一番だしを使用しましたが、和風顆粒だしでも代用できます。その場合はcの調味料を減らして塩分を調整してください。