日本の 郷土料理と うま味

岡山県 の郷土料理

ばらずし
ばらずし

岡山県の郷土料理「ばらずし」。江戸時代、備前岡山の初代藩主であった池田光政は、家来や国の人々に贅沢をしないようにと、「食事は一汁一菜とする」という倹約令を出しました。「一汁一菜」とは、汁物以外に副食を一品に制限するというもので、その倹約令に対抗し、たくさんの具をのせても「一菜」になる「ばらずし」が庶民の知恵から生まれたと言われています。  瀬戸内と中国山地に囲まれた岡山では、新鮮な海の幸と山の幸が豊富に採れ、その様子がばらずしの具材からも見て取れます。海の幸は、岡山の特産品でもあるさわらをはじめ、ママカリやえび、も貝など。山の幸では、季節ごとにとれる豊富な山菜のほか、たけのこやレンコン、絹さやなどが使われます。それぞれの食材を別々に味付けし、酢飯の中に中具材を混ぜ込みます。最後に飾り付けとなる魚介類・山の幸などを錦糸卵の上に盛りつければ完成です。また、ちらし寿司との違いは、具材を「酢飯に乗せる」ちらし寿司に対して、「酢飯に中具を混ぜる」のがばらずしの特徴です。

一汁一菜のおかずとしては、とても豪華な一品です。どの具材にもうま味は豊富に含まれていて、季節の野菜のうま味も味わいと色どりを加えてくれています。