奈良県の郷土料理である大和の雑煮は、豆腐や祝だいこん、金時人参、里芋、丸餅などが入った白味噌仕立ての雑煮です。豆腐は白壁の蔵の象徴で、蔵が建つようにとの願いが込められています。一年間、家族円満に過ごせるようにと、餅は丸餅、野菜類も輪切りにして入れると言われています。きな粉の黄色は米の豊作を願うようにと、それぞれの具材には謂れがあります。お正月にはどの家庭でもつくられ、学校でも給食の献立や家庭科の授業でつくる機会もあり、若い世代にも親しまれています。他県にはない食べ方の一つとして、奈良県では雑煮に入れた餅を取り出し、きな粉をつけて食べる地域が多いのが特徴です。
うま味たっぷりのだしと白味噌で煮ることで、具材となる野菜や豆腐の味わいが引き立ちます。