岐阜県の郷土料理である朴葉ずしは、朴の木の葉で酢飯を包んだ初夏の風物詩的な料理で、田植えなど農休みの御馳走として食べられてきました。朴の葉の色合いや香りが最も良い時期は5月から8月で、朴葉ずしの旬として知られており、この季節には各家庭の食卓を彩ってきました。さらに、朴の葉は抗菌性が高く、殺菌効果や防カビ効果があるため、酢飯と相まって高温多湿で食品の腐敗が心配される田植えの時期に重宝されました。地域によっては、朴葉ずしに使用される具材が異なります。例えば、東濃地域では、川魚の甘露煮や酢鯖、錦糸卵、紅しょうがなど、彩り豊かな7~8種類の具材を酢飯の上に乗せてから包みます。一方、飛騨地域ではさっぱりとした味わいが好まれ、シンプルにミョウガと酢飯だけを使用することもあります。現在では、県内各地の学校や幼稚園・保育園で給食のメニューに採用されており、県民にはなじみの深い郷土料理となっています。
彩りとうま味が豊かな混ぜ寿司を、朴葉の香りとともにお召し上がりください。
出典:農林水産省Webサイト『うちの郷土料理』をもとに作成
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/38_1_gifu.html