日本の 郷土料理と うま味
東京都 の郷土料理

江戸雑煮

江戸雑煮

江戸時代から受け継がれる東京の「江戸雑煮」。

そもそも雑煮は、室町時代の京都や大阪で、将軍様の行事や上流階級のお祝い事、例えば婚礼などの宴会で出されていたそうです。雑煮が身分に関係なく正月の祝い事に食べられるようになったのは江戸時代からといわれ、その頃は正月のお祝いは雑煮が主役でした。年神様を迎えるため地域の食材とお餅をお供えし、年神祭りを行い、そのお供えものを下ろして神聖な水と火で煮て、年神様と一緒に食べるという大事な儀式でした。そのため、雑煮は全国的に存在します。その味付けを見てみると、じつはすまし汁がほとんどで、例外は、みそ仕立ての関西や四国の一部と、小豆(あずき)汁の島根や鳥取の一部です。

江戸では、上方から入っていた醤油(うす口)が、元禄時代(1600年代後半)には下総の野田と銚子でも作られ、関東醤油(濃口)として庶民に広まり、食を豊かにしていきました。そのため、江戸雑煮は醤油を用いたすまし汁仕立てです。具材は鶏肉、小松菜、かまぼこなどと焼いた角餅が基本で、だしを生かしてあっさり上品に仕上げるのが江戸の粋です。「腰が曲がるまで健やかに」という願いを込めて、えびを入れることもあります。

薄口醤油よりも塩分が少ないのが濃い口醤油ですが、うま味はたっぷり。少ない塩分でも、出汁と醤油のうま味がお雑煮に入っているそれぞれの素材の味を引き立ててくれます。

材料

(4人分)
・かつおの切り身(たたき用) 300g
・塩 小さじ1/2
・ゆず酢 大さじ1
・しょうゆ 大さじ3
・にんにく 4~5片
・ねぎ 1本(20g)
・たまねぎ 1/4個

すまし汁
・だし汁 900ml
・しょうゆ 小さじ1
・塩 小さじ1

つくり方

① 車えびは背ワタを除き、鶏肉は食べやすい大きさに切る。それぞれゆで、車えびの胴の殻をむく。

② 小松菜は塩ゆでし、水気をしぼって4cm長さに切る。

③ 角餅は、オーブントースターなどでこんがりと焼く。

④ 鍋にすまし汁の材料を入れて煮立てる。

⑤ 器に②③とかまぼこを盛り付け④を注ぎ、ゆずの皮とみつばを添える。

POINT

  • みょうがや青じそなど、お好みの薬味を加えてお召し上がりください。
  • かつおは中まで火が通らないように表面をさっと炙りますが、炙りすぎてしまった場合は耐熱ビニール袋に入れて氷水に浸けて余熱で火が入るのを防いで下さい。直に水に浸けると水っぽい仕上がりになるのでご注意ください。