日本の 郷土料理と うま味
神奈川県 の郷土料理

けんちん汁

けんちん汁

大根やニンジン、ごぼう、れんこんを炒めてから煮込むけんちん汁は日本各地で食されている料理ですが、一説によると北鎌倉にある建長寺で作られる「建長汁」を修業した僧侶が各地に派遣されるとともに全国に広まっていったと言われています。精進料理の中でも数多くの野菜が使われているのは、他の精進料理で余った野菜くずを無駄なく用いて作ったものであるといわれており、食材を無駄なく食すエコな料理です。

昆布と干ししいたけのうま味を効かせた精進出汁が、野菜や豆腐の持ち味を引き立てて美味しくいただけます。

出典:農林水産省Webサイト『うちの郷土料理』をもとに作成
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/35_1_kanagawa.html

材料

(2~3人分)
A {昆布 5cm程度(2cmほどの角切りにする)、干ししいたけ 2枚、水 500ml}
・大根 40g
・にんじん 30g
・れんこん 30g
・ごぼう 30g
・里いも 30g
・こんにゃく 1/8枚
・木綿豆腐 1/6丁
・大根の葉(または小松菜)少々
・ごま油 大さじ2
・酒 適量
B {しょうゆ 大さじ1と1/3 塩 適量 みりん 適量}

つくり方

① 精進だしを作る。Aを冷蔵庫で一晩おき、火にかけて弱火で30分ほど煮出す。氷水にあてて冷ます。干ししいたけは石づきを取りのぞいて刻む。

② 大根、にんじん、れんこんはいちょう切りにする(皮はむかない)。ごぼうはささがきにして水にさらしておく(泥を洗うのみで皮はむかない)。里いもは皮をむいて一口大に切り、塩でもみ洗いをしてぬめりをとる。こんにゃくは、ゆでて箸で穴をあけ一口大にちぎり、乾いりして水分をとばす。

③ 木綿豆腐は水切りをする。大根の葉(または小松菜)は湯がいて氷水で冷まし細かく切る。

 鍋にごま油を熱し、②を炒め、酒を入れる。①を加えて沸騰しないように火加減を調節しながら、野菜に火が通るまでアクを取りつつ弱火で煮込む。Bを入れる。

 野菜に味がしみたら豆腐を手でくずしながら入れる。味を調えて、ごま油を少量(分量外)加える。器に盛り付け、大根の葉を添える。

POINT

  • 豆腐はしっかり水切りをしておくと、味が薄まらずにおいしく仕上がります。