そぼろ納豆は、納豆と割り干し(切り干し)大根を合わせて、塩や醤油などに漬けこんだ水戸市の伝統的な料理です。 水戸市では、江戸時代、台風が来る前に収穫できる早生小粒の大豆を美味しく食べる工夫として、納豆づくりが盛んになりました。秋に収穫した大豆で納豆をつくり、近所やお寺等に配る際、余った納豆を長い間食べられるように工夫をこらしたものが「そぼろ納豆」です。 納豆といえば、いわずと知れた水戸市の名産であり、茨城県では現在でも家庭で納豆をつくる人がいます。手づくりの納豆は、においも強く、味もインパクトがあり、個性が強いため、市販の納豆に食べ慣れている人は、その味の濃さに驚くといいます。また、茨城県では、大根も多く収穫されるため、各家庭で寒干し(切り干し)大根を保存食としてつくっていたこともあり、糸引きが良くない納豆ができた際に、寒干し大根を混ぜて塩漬けにしていたのが「そぼろ納豆」の始まりです。 つくる手順も簡単なことから、現在でも一般的につくられており、近代では、納豆に割り干し大根を混ぜるだけでなく、醤油、みりんなどで煮詰めることで、納豆を日持ちするようにした保存食ともいえます。
出典:農林水産省Webサイト『うちの郷土料理』をもとに作成
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/soboronatto_ibaraki.html
発酵食品である納豆はもちろんのこと、乾燥してうま味が濃縮された切り干し大根と合わさることで味わい深い一品になります。