日本の 郷土料理と うま味
茨城県 の郷土料理

そぼろ納豆

そぼろ納豆

そぼろ納豆は、納豆と割り干し(切り干し)大根を合わせて、塩や醤油などに漬けこんだ水戸市の伝統的な料理です。 水戸市では、江戸時代、台風が来る前に収穫できる早生小粒の大豆を美味しく食べる工夫として、納豆づくりが盛んになりました。秋に収穫した大豆で納豆をつくり、近所やお寺等に配る際、余った納豆を長い間食べられるように工夫をこらしたものが「そぼろ納豆」です。 納豆といえば、いわずと知れた水戸市の名産であり、茨城県では現在でも家庭で納豆をつくる人がいます。手づくりの納豆は、においも強く、味もインパクトがあり、個性が強いため、市販の納豆に食べ慣れている人は、その味の濃さに驚くといいます。また、茨城県では、大根も多く収穫されるため、各家庭で寒干し(切り干し)大根を保存食としてつくっていたこともあり、糸引きが良くない納豆ができた際に、寒干し大根を混ぜて塩漬けにしていたのが「そぼろ納豆」の始まりです。 つくる手順も簡単なことから、現在でも一般的につくられており、近代では、納豆に割り干し大根を混ぜるだけでなく、醤油、みりんなどで煮詰めることで、納豆を日持ちするようにした保存食ともいえます。

出典:農林水産省Webサイト『うちの郷土料理』をもとに作成
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/soboronatto_ibaraki.html

発酵食品である納豆はもちろんのこと、乾燥してうま味が濃縮された切り干し大根と合わさることで味わい深い一品になります。

材料

(4人分)
・水戸納豆 150g
・割り干し大根(乾燥) 50g
・塩 小さじ1
・しょうゆまたは納豆のたれ 適量

つくり方

 割り干し大根は水で戻してしっかり水気を切る。ざく切りにして平ざるで少し乾燥させ、塩の半量をかけ、よくなじませる。

② 納豆に残りの塩を入れて、白い泡が出るまでよく混ぜ、①を加えてさらに混ぜ合わせる。

③ しょうゆまたは納豆のたれを少々入れて味を調える。

POINT

  • 割り干し大根は切干し大根で代用できます(大根の切り方の違いです)。
  • お茶漬けやパスタの具材にしても美味しいです。お好みでかつお節をかけるとうま味が増します。