日本の 郷土料理と うま味

岩手県 の郷土料理

柳ばっと
柳ばっと

岩手県の郷土料理「柳ばっと」は、寒冷な気候で米の生育が難しく、耐寒性のあるそばなどが栽培されてきた地域ならではの料理です。江戸時代に南部藩は、細切りのそばは手間がかかり贅沢であるとし、農民が食すのを禁止しましたが、人々はそば粉を団子にして「これはそばではない」として食しました。
「柳ばっと」の「柳」は、春に最初に芽吹き秋に最後に葉を落とす柳の葉の形状にして長寿の願いを込めたと言われます。「ばっと」は法律に違反した「法度」に由来しているようです。
10月8日から23日までは二十四節気の「寒露」といい、朝夕は肌寒く秋が深まる時期です。きのこや野菜のうま味がたっぷりの、からだのあたたまる郷土料理を是非お試しください。

ひっつみ
ひっつみ

小麦粉を水でこねて1~2時間位ねかせたものを薄くのばし、手で引きちぎって(ひっつむこと)、季節の野菜等と一緒にだしで煮込んだ、主として醤油味の汁物です。具やだしは、地域や季節によって川カニ、川魚、鶏肉、きのこなど様々で、季節の野菜がたくさん入ります。地域によって「すいとん」「つみれ」「とってなげ」「はっと」とも言われます。つるっとなめらかで喉ごしが良いのが特徴で、県内各地で具やだしが工夫され、家庭の味、ふるさとの味として年齢を問わず親しまれ、子供たちにも好評です。

季節の野菜やきのこ類、だしに使われる魚や肉、調味に使う醤油など、いろいろな素材から出てくるうま味成分が深みのあるやさしい味を作ります。